春の駅/ぽえむ君
春の駅に列車がやってくる
駅は桜の花びらを散らしている
列車は駅に着くというよりも
春の風に押されながら
春の中に迎えられる
扉が開けば春の香りに包まれ
窮屈だった体と心が解放される
梢に止まる小鳥に気づくだろうか
花が風にそよぐのを見れるだろうか
些細なことが大切に思える
同時に何かが始まる
そんな予感を漂わすこの駅は
すべてのものが笑っている
乗客はみな幸せに向かって
階段を上ってゆく
風は暖かくまた温かい
列車は次の駅と走り出してゆく
駅はまた桜の花びらを散らした
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