残/
東風
とうに銃は捨てたのに
私の腕は未だに重い
時は過ぎて
すでに見知った顔もなく
忘れ去られていくのだろうに
この罪だけは消えやしない
私が奪った誰が命
どこかに落とした小指さえ
私を許しはしないだらう
草に散った赤が眼にやかれて今も
何故、私が生きている
(死にたくなかった、それだけのことが)
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