「 蠢く土。 」/PULL.
ひとりの頃は辛かった。
仕事を終えた夜は、
いつも罪の意識にさいなまれ、
眠れず、
飲めぬ大酒を喰らい、
やっと落ちた夢の中でも、
責められた。
ある日、
数が増えた。
全部で十四人いた。
わたしは、
いつものように穴を掘り、
いつもよりも大きく深く穴を掘り、
いつものようにそこに彼らを落とした。
上から土を掛け、
わたしは鼻歌を歌い、
いつもより多い仕事を終えた。
土はしばらく蠢いていたが、
やがて止まった。
その夜は酒も飲まず、
ただ眠った。
眠れた。
しばらくして、
また数が増えた。
もう数は数えなかった
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