走るオバサン/weed & sky
子どもの頃はどうだったのかな。
ランドセルを忘れて学校に行ったりランドセルを忘れて家に帰ったり、
そんなことは何度かあったが。
友だちのそろばんの袋か何かを男の子が高い木の枝に引っかけて、
男の子とつかみ合いのけんかをしたり、
いや何もしなくてもつかいみ合いのけんかはしてたが。
この年になって少しはおとなしくなったかもしれないが、
走ることはやめてないのだ。
もちろんみんなも走っているけど、
楽しい何かを見つけたいのだ。
子どもの頃、赤いチョッキを着たアリを見つけて、
いやただ単に胸の赤いアリだったわけだが、
彼もしくは彼女を尾行していて夕焼けの野原で迷子になった。
あの頃の私であり続けたいのだ。
今なら迷子になっても何とかできるし。
迷子になることを恐れない。
道を間違えることを恐れない。
けっつまずいて転ぶことを恐れない。
生きてさえいれば何とかなるのだ。
さあ次はあっちの丘のてっぺんだ。
あそこまで行けば海が見えるぞ。
きっと。
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