ひと夏/千月 話子
 

干乾びた小動物の
骨を拾って土に埋めた
湿った赤土の上を
ゴム製の靴底で踏みしめたから
今度生まれてくる時は
強い動物になるのだと思い込んで
きつく きつく 手を合わす
仕来たりなど知らなくて
飾り花もお供えも 何も無くて
静かなお墓の前で 何となく踊った
くるくる くるくる



ありすは それを木陰で見ていた
静かに 静かに 見ていたもので
食べ忘れたアイスから
流れ落ちる 甘いミルク
土臭くない森の中
集まる虫は 際限なく 際限なく
止められもせず 腹を潤す
翌日には動けなくなり 干乾びて
土に帰る準備をするので

森は思う 何となく嬉しい
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