バス通り/в+в
 
飛行機に乗ってはいけない
アルマジロが低い姿勢で
君のトランクの中から飛び出そうとするから


ブルースの流れる午後四時頃には
楽しい昼寝の時間は終わって
みんなはナイフとフォークを塩水で洗って
岬で横一列になって
グレゴリオ聖歌を歌いながら
素晴らしい夜明けを待つに決まってる
かびくさい地下室の壁に描かれた
隣り町に住む
赤い髪をしたおませなヴェロニカのことを考えながら


“それは新しくはなく
日々の努力によって培われた
メビウスの輪のように
バス停でのすべての待ち時間によって
解放を約束する部屋
怖がるのは女性たちだけではない
愛情をとりあえず救援物資に変えてしまう
キャンディの包み紙のように
世界中の衣服を集めて燃やし
クローゼットを宙に浮かせる
シンジケートが必要だ”という声が
ふいに頭の中で響いた
痩せたポーキュパインが
道端の草むしりをやめ
ゆっくりと振り向き
切手を額に貼り付けて
念入りに右手の薬指を舐めたから
君はここにいる



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