いかないで、/東風
優しさなんかじゃない
寧ろ傲慢なんだ
去ろうとする君を引き留めるのは
手を放せば逝ってしまうのだろう
それを望んでいるのだろう
だのに僕は
涙なんかじゃない
そんな美しいものじゃない
起き上がる気などはなから無いのだから
君に生きたいと思わせる努力さえしない
逝くべきは僕のほうなのに
だのに僕は
優しさなんかじゃない
せめて愛だと思いたくても
君はそんなもの信じないだろうし僕も同じだ
結局臆病っていうことだよ
もしも信じていたならば君と一緒に逝けたのに
だのに僕は
傲慢で
臆病で
僕は僕のことしか考えちゃいない
ごめん、ごめんね
(君は何故笑っているの)
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