マーブル(混ざっていく音)/ねろ
裏返して電車の中を歩いて家まで帰った
林檎をかじったカピバラがゆっくりと明日をつれて来る
そのとき僕は横を向く練習をしないではいられなかった程だった
横にははいつだって青がくだらなくいかれているから
夜明けまでは半径5mあるから誰も知らない靴を履いて行く
その中心で僕は靴を飛ばして今日にあるくちいさな猫を抱いたまま
耳に手に振り撒いた残骸を握り締めて立つことなんかを
女の子はついに目をつぶったきりろくに返さないことなんかを
右手は隠れたつもりで左手に耳うつ
左手はそれをにぎって次の一秒に結ぶ
僕はやけにふやけている方だ
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