五里霧中/はじめ
 
 冷や冷やとする冷たく濃密な乳白色の霧が辺りに立ち込めている
 雲と同化している為僕は逃げ場を失った気分だ
 吸う空気が水蒸気化して咳き込む
 この霧は何処まで続いているんだろう?
 兄貴達は無事だろうか… 一番下っぱの僕は二人の兄貴達とある場所で待ち合わせしている
 僕達は宝石泥棒をやったのだ
 宝石店を襲って 僕が袋にパンパンに詰めた宝石を担いで 他の二人の兄貴達は警察の目を引き付ける為に僕と二手に分かれたのだ
 そしてこのフィーテルの森の奥のある場所で合流する計画だったのだ
 上手く都会の外れのフィーテルの森へ先へ逃げ込んだのだが さんざんリハーサルをやったにも関わらずこの霧
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