「春待ち」/ソティロ
「春待ち」
春を待っています
もうずいぶん長いこと
幸せとか よろこびだとか
そうゆう精神的な春じゃなくて、
もう今年は十一月から待っています
つまり、去年からずっと
暖冬といえど
たしかにお陽さまはぽかぽかしていた気がするけれど
寒すぎます
ぼくの家にはエアコンがありません
近年はこたつも出しません
お金はたくさん欲しいけれど
ほんとうに欲しいけれど
ふところの寒さを言っているのでもありません
年々冷え性になる気がします
先週はうでの芯まで冷えました
ぼくは厚着が嫌いです
桜散る散る 川原の道を
ワイシャツとジーンズで
手ぶらでぶらぶらと歩く、
どこからかあやしいにおいのする、
猫や変態がどこからか湧いて出る、
そんな春を、
もうずいぶん長いこと
待っています
実はもうすぐそこまで来ています
ほうら太鼓の音が聞こえるでしょう
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