生まれ出る感情は/ぽえむ君
生まれ出る感情は
どこから湧いてくるのか
わからないけれど
森の中の泉のように
こんこんと
形を留まらせずに湧き出して
全身に流れてゆく
ある流れは海のような夢へと
広がってゆく
ある流れは空のような希望へと
駆けてく
生まれて間もないその感情は
まだ言葉という形になる前の
認識や理解には至らない
そこにあるものは言葉でもなく
音でもなく色でもない
心の核なのかもしれない
生まれ出る感情は
あるときは言葉で
音で色で描き出されようとするが
絶えず変化するその形の
その全てを正確に止めては
表すことはできない
言葉と言葉の間に
音と音の間に
色と色との間に
無の中に有を込めて
湧き出でるその姿が
仄かに浮かび上がる
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