ワーキングホリデー/水町綜助
ている
「それはいったい何の実験なんだ?」と小学六年生の友人が訊ねてきた。
彼はまだ何も成せない内に不幸にも死んでしまった。
ようにみえたがしかし自分にしてみればそこから先は余分でしかない
かもしれないと思い、
一瞬だけ思い、僕は純粋に泣いた。
もう二十年くらい経ってしまっている。
空が白んできた
日が差せば底のほうから溶け出していつしか混ざるんではと願っている
が、それがかなえられることはない
最小単位を切り刻むことができないのは当たり前だ
そして輪郭が異なっているものでも熱をかけて溶かせばするすると・・
と、錯覚することも
ましてや自分以外に理解と
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