ホーム/ひろっち
 
がないから。
いつもそうやって飛び出して、実家に帰る素振りを見せて、中途半端に姉ちゃんのところに滑り込んで、
結局、俺が謝らんと収拾つかん次第。



眠れないのは昔から。
けれど昔はよく寝てた。 眠れないのは、土の匂いがしないからで、

夕日が沈む。
退屈な速度でゆっくりと沈んで行く。

土の匂いがしたところで、
そこが居場所になるわけじゃないし、
結局、何やかんや愚痴(ぐち)垂れたところで、
どうにかなるわけでもあるまいし、
そんな走馬灯(そうまとう)を描けるこの対峙(たいじ)こそが朱美のホーム。


君の居場所。
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