星/anne
 
やわらかい 夕暮れの月
となりに隠れるようにひかる 星がひとつ

「あ、星が見える」
「月しか見えないよー」

星はわたしだね
月は君だよ

わたしはあの時
君の後ろに隠れるように小さくなって
怒鳴り声を聞いていた

明るい君のそばで
よわいひかりを さらによわめて

いいたいこと ひとつも言えずに
泣きそうになってた
悔しくって
情けなくって

ごめんね

この言葉 届ける勇気もないし
わたしのよわいひかりじゃ 届かないとは思うけど

ごめんね

月は闇がこくなるほどに 明るくなって
いつしか星は 見えなくなってた
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