friendship/黒い鴉
 
揺れる船の上
遠ざかっていく港町が
俺を冷たい気持ちにさせる
『ずっと一緒に旅をしよう』
という約束を
やぶったお前を恨んでやろうか?

僕を許してくれとは言えない
ここで見つけた幸せは
冒険の日々とひきかえ
もともとのりかかったような船
あっさり 『バイバイ』 でも
涙はとめられなかったよ

幸せな日々には 大抵悪い知らせ
沈んだんだ あいつの船
最後だったんだ
なのにあんな別れ
僕を恨んでいるだろう
僕も一緒に死ねばよかった?

変なところで気の優しいお前
きっと死ぬ程悩むだろう
せめてもと
ビンにつめた手紙と想い
『船が沈みきるその瞬間さえ
決して
お前を恨んだりしていない
俺の分まで
生きてくれれば
俺の分まで
幸せになってくれれば』

ビンを拾ったのは赤の他人
でも よかった
彼はちゃんと知っていた
変なところでかっこいいあいつ
きっと最期には
そう言ってくれるだろうと

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