「駐車場の恋人」/吉岡孝次
 
一拍遅らせてみても夕刻は
若く滞ったままだ
(緩めの服を知り)
卒論をひもとくように音を探るけれど
それすら「描かれた僕」に過ぎないとあれば
ますます活力への横臥から締め出されるばかりになって
もう前を目指さず
せめて感傷くらいはかつての自分に近づけるため
また少しだけ
新しいフレーズを 書いた
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