池袋〜南千住/馬野ミキ
 
害妄想に襲われる。
だが張本人にとってそれは実質的な加害であり己を否定し続ける罪だ
風は冷たいが空は晴れていて
俺は歩道を歩く
南千住で安くてうまい定食屋をみつけて気に入っている
道路に花束が落ちていたから誰かがここで交通事故で死んだのか今日も俺の誕生日か
鬱というかこれは多分逆でアドレナリンみたいな何か知らないけどそんな物質が
分泌されすぎて自分でセーブというかブレーキをかけすぎている状態なのだと思う
街路樹の葉や工場の煙突や区画整理や空き地や子どもや痴漢に注意といった看板
そういったあらゆるものがいちいち美しい
そういう美しいものを見ている
なぜなら見たいからだ-
例え
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