週末/かのこ
 
左肩が私の涙で
だらしなく濡れた
襟ぐりの広いシャツを着て
平然と煙草を吸う君を思い出す

例えばこの部屋の匂いを
消し去るものは何だろう

通勤電車の中で見た
風が変わるのを心待ちにする
明日を待ちきれない私を思い描いては
仕方なく笑った

週末の陽の光は
なぜだかいつも私には眩しすぎる
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