ワープ/
みつべえ
夜の洞をぬけるとき
火のしずくにふれるとき
眠りの軌道をすすむとき
蝙蝠のいらだちに とろける皮膚に
濡れた夢の繊毛に
からまり もつれて
声は発熱する
星のページを閉ざすとき
石の料理を了えるとき
風の秘密を知ったとき
もだえ くだけて
それは声からも逃亡する
肉体をはなれ
名前のない 鱗のような追憶を
呼びこむ仕方で
遠くから未知の騒擾をもたらす
あの場所へと
純潔を少しずつ
失いながら
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