孤独/佐山鈴音
 
お腹を壊してしまった
深い夜の谷底で
誰もが一人きり

カーテン越しに光を放つ
あれは確か電灯だ
冷気が身を纏っても
焼け付く陽光が注いでも
その場所から逃げられず

私だけではないのだ
私だけ一人ではないのだ


消化不良のままでも
電気が切れても
浮かぶ月は見ている
太陽は、空は見ている
闇は、見ている


お腹の痛みは生きている証カーテンの外に広がる闇は隠したままの孤独


月よりも太陽よりも遠い
輝いた季節

明けない夜の真ん中でお腹を壊してしまった


私はワタシ。
あなたはアナタ。

消化不良のままの願い
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