深夜の詩(うた)/ぽえむ君
理由なんてどこにもない
夜中に目を覚ます
何をするわけでもなく
何がしたいわけでもない
とりあえず暗がりの中で
タバコに火をつける
カチッというライターをつける音が
何度もなく繰り返してきたことなのに
新鮮な音のように聞こえる
部屋の明かりをつければ
いつもの自分の部屋だが
敢えてそのままにしながら
真っ暗な部屋の中で
タバコの煙が吐いた息とともに
何かの形が作りだされる
それは言葉でもなく色でもない
そこにあるものは深夜の詩(うた)
同時に時計の秒針の動く音が
自分の鼓動のように思え
吐き出された詩(うた)に
命が吹き込まれる
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