潮風/
湾鶴
輪郭の街が
徐々に織りをなし
時計はだらりと腕をさげ
ほぅい ほぅい と歌う
海にでると
肌がちりちりと
焼ける心地よさが
足跡にたまって
潮に吹かれた
8mmフィルムが
からくり まわる
塩のついた ほほ
はれあがった くちびる
凸レンズのような ひとみ
いつかの夏を映していた
それが海のすべてのようで
髪を濡らしてみたくなった
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