葛藤/佐山鈴音
中々起きられない朝
テーブルの上に置いてあるミネラルウォーターの2リットルのペットボトルから歪んだ空が覗いてた
布団の中にいると
守られているような錯覚を覚える私は
歪んだ世界を一気に飲み干す
味には何の面白みもないし味には何の気合いも感じられなかった
今日の朝は寒い
布団の温もりだけは心地良く私を包んでいる
この場所から抜け出せる日はいつだろう
ペットボトルは空になりそうだ
歪んだ世界のままの方が楽だったのかもしれない
くっきりと見えた空の向こう側から光が私を追い立てる
私の居場所はここなのに
私の明日はどこだろう
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