take off/マッドビースト
夜を待つドライバーが眠る
黄色のタクシーが連なる駅までの道
すれ違うのはいつも仕事帰りの疲れた
サラリーマンかOL
しみったれたこの通りとも今日で最後なのだ
花束には真冬に不似合いな鮮やかな花弁が顔を覗かす
なら私の名前はハイビスカス
コバルトの道路はまっすぐに伸る滑走路 私はゆっくりとコースに入る
いつもより胸を張って軽い歩調で歩く 飛び立つための勢いをつけて
葉のない丸裸の街路樹の誘導等がエスコートするよくある冬の色のない街
夜のコバルトが支配する街
私の名前はハイビスカス
静に冬の街を飛び立つ
戻る 編 削 Point(3)