響/
ポッケ
人が住む箱ばかりのくせに
午前一時の住宅街は
音を立てるのは容れものだけ
人の声がきこえない
公園に並ぶ枝ばかりの木は
夜空より暗く
影絵のようで
冷たい踝で立つ枝の真下は
無音だった
夜空と私を覆うような影は
あのころと変りなく
幼かった魂は
癒着した圧倒と畏れを
大声で泣き叫び
体中に響かせていた
あのころと変りない
夜空と影も
圧倒と畏れも
泣き叫ぶことのない私以外は
探している
今は
魂は
響かせる場所を
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