春にゆれて/まどろむ海月
{引用=
? コラージュ
通勤電車の空間の歪み
ポリバケツの中をワープしながら
流転する定めの憂鬱な朝
紺碧の地面に近づく
窓外の空気
遠くに小さく
斜めにさしこむ
白い雨の気分
蒼のカーテンは
返事をせず
透明にしゃがみ込んでいる
金色の光が
見えない程に遠のいて
人影は気がついている
何が起っているのか
流るる
流るる
流るる
焼きつく
はっきりわかる
光に包まれて
凡てを超える
しかし目の前に見える
狭くもなく
深くもなく
今この瞬間すら
揺れている
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