お前が敵でなかったら/
 
それだけ






でも僕は お前を愛してる





だから ここでお前を殺す


全て断ち切って 楽になろう



殺しても 殺されても この愛は消えるだろう





お前が刃を動かす 僕も刃を振り上げる


幾度か刃がぶつかって





僕の刃が お前の胸を貫いた






お前の頬には涙が一筋


お前は微笑み 倒れ込んだ




僕は右手の傷の痛みを思い出しながら


お前を見下ろし泣いた










閉ざされた世界


運命は変わらなかった


かなしい かなしい 物語





もしも




                   お前が敵でなかったら





刃ではなく 愛を交わすことができたかな
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