白すぎる天井、不鮮明な感情/三架月 眞名子
窓を覗き込んでも
見えるのは隣の建物と
排気ガスで汚れた空だけ
部屋の中は小さくカーテンで区切られ
自分の居場所はベッドの上だけ
酸素が足りない・・・
息苦しくてしょうがない
生き苦しくてしょうがない
こんなところに入っていたら
もっと悪化してしまうんじゃないだろうかという不安
でも
外の世界に放置されるのはもっと不安
秤が傾いたのは
この真っ白い檻だった
花は置かないことにした
だって花が可愛そう
もっと開放的な場所に咲きたいだろう
それが本来のあるべき姿だ
窓は開けないことにした
だって外の空気はよどんでる
もっとも中の空気がいいわけ
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