癲狂院/潔
馬鹿を振りまいて生きる。
酒を飲んでみんなぶつ壊して、毒舌吐いて、やるべきこともやらずに、何もかも頽廃的に生きる。
表面だけが馬鹿笑ひ。
いつも奥では泣き笑ひ。
俺に涙なぞ存在するはずがないから、俺はいつも笑ふしかないのだ。
いつも作り上げられた感情で、生きること自体がinstant。
周囲は薄皮饅頭のやうに詰まつた人間ばかり。
その中で俺一人が味気ない野郎。
何もせず過ごした数年間が、俺を空つぽな奴に仕上げてしまつたのだらうか。
自分が鬱なのか躁なのかも判らずtensionのみを盛り上げ歩く。
おまへ等、みんな俺を指差し「気狂ひ者」と呼ぶがいい。
真黒な髪を乱し、泥塗れ
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