街/はじめ
ていて自然と同じように春になると再生する
でも今のこの世界は季節が無くなったから街はずっと滅びたままだ
僕が来た時には街を囲む煉瓦の壁や中の建物は死んだように崩れている
それをいつになれば片付くか分からない早さでゆっくりと人々は片付けている
人々はいつになれば春がやって来るのか分からないのだ
そんなことこの街に住む人々には関係無い
平和に暮らせればそれでいいのだ
春になるのを待っていれば自然に街は再生するのに、だ
僕は街に着いて君を探す
君はある家の屋根に登って壊れた煉瓦を集めていた
僕は君に下から声をかけた
君はそれに気付き笑顔で僕に手を振った
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