こえ/はらだまさる
 
って
歪んで
意地をはって

匂いがわからない
きみの


その



こえ、


ぼくを剥いてゆく
この
あかぐろい
にんげん、を
剥いてゆく
こえ、



きみの
こえ、


ふたしかな
やさしさ


ぼくの
やわらかい
ところに
噛みつく


こえ、




ひとりぼっちの


ぼくが
しろい宇宙で


必死になって
探していた







こえ。











戻る   Point(20)