回り道/海月まりも
 
あれも違う
これも違う
探し続けているのに、どこにもない

似ているものを見つけた
光が差して
ゆく手が開けた
「これかもしれない」と思ったのだ

でも、またすぐに色褪せた
無色になってしまった

妥協をしていたんだ
焦っていたんだ

似ているものでは
空腹はおさまらないんだね
いつまでたっても、お腹はいっぱいにならない

きっと
喉から手が出るほどの渇望は
疑問を感じる前に前に立ちのぼる

きっと
安らぎよりももっと高い温度で
わたしを包んでくれるはずだ

だから、これでいい
「違う」と感じることは、ほんとうの渇望を見つける一歩なのだから
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