新春自縛霊/はじめ
よ無理!! 君ここの自縛霊じゃん!? 君はここに怨念があるんだろ?? しかも今日は君の一周忌。とっても大事な日なんだから、初詣になんか行ったら縁起が悪いよ。僕の彼女だってきっと君を見ただけで失神するし。…つーか、僕しか君のこと見えないんだっけ?? つーか、君は自縛霊だから動けないでしょ!! 何言ってんの!! 駄目だよ駄目!! あっ、踏切が開いた!! もう時間無いから僕は行くよ。今年も宜しくお願いします。じゃあまたね」
請うような視線を振り切って踏み切りを渡ろうとすると、強烈な金縛りが全身を駆け上り 僕はその場で背筋を伸ばして硬直した
「お願いだよ!! 僕も初詣っていうものに行ってみたいんだ!! 僕、両親が共働きで、友達もいなかったから初詣なんて行ったことがないんだ!! 僕の気持ち分かってよ!! 今日、成仏してもいいから!! この場所にもう恨みなんて持たないから!! 初詣に連れて行ってよ!!」
僕は大粒の涙を流している君のことを分かったよ連れて行ってあげると言って宥め 成仏してもらった
踏切を渡る 僕の背中には背後霊が憑いている…
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