君という名の愛/はじめ
ようと思うの。二回目の人生じゃん。一回目も私死んじゃったよね。私達人間は、十九歳を越えると、天国で結ばれていた男女が、現世で再び出逢える為に、『心の声』が聞こえるようになるじゃない。私達は、『心の声』で出逢えた。本当なら私達二人のように結ばれるのが普通なんだけど、私の寿命があと少ししか無いから、『心の声』、消えちゃうね。どんなところにいても消えない『心の声』。私が死んだら、同じように心の相手を亡くした子と一緒になってね。文句も本音も考えていることも本当は『心の声』で通じるのに、全て口で言わなきゃいけないけど、それが最も人間らしい生き方だと思うの。全て完璧に理想が揃った相手を失うのは辛いけど、それともあなたは私のこと、永遠に愛してくれるの?」
大粒の涙を流して尋ねてくる君を見て僕も泣き出した。
「愛するに決まっているじゃないか、永遠に」
君は僕に抱きつき耳許で大泣きした 天と地がひっくり返るぐらい激しく泣いた
夕日が海の彼方にゆっくり沈んでいく
夕日で伸びた影が口元を合わせた
天国や神様なんてこの世にいない
いるのは君という名の愛
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