君という名の愛/はじめ
 
 記憶と夢の中でしか君に会えない
 潮風に髪の毛をはためかせ 海の声に耳を傾ける君
 何と君に囁きかけているの?
 君の命がもう無いことを神様はどう思っているのかな?
 ただの運命だとしかお考えになっていないのかな?
 運命は神様でも変えられないことぐらい知っているよ? 聖書に載ってたもん
 だって神様として生まれたのも運命と言ってるもん
 それでも夏の日差し眩しい中 君はひたすら耳を澄ましている
 「神様に聞いてみないと分からないってー」とワンピース姿の君は少しだけ微笑んで振り返った その顔には大量の涙が溢れている
 「もう時間ないじゃん、私…だから、それまでに一生懸命生きよう
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