迷散/
湾鶴
さららの東風をうなじをかすめた
ブルーシートの波
織目は日の印象を受けとっては流していた
くすんだゴム蛇は胸に垂れ下がり
ふくらはぎを通りこして
ジャリにまみれてずるずると
電柱を見つけては
愛撫と抱擁を繰り返す
風はおおきく息を吸う
そして 息をとめて
いっぺんに吐く
その呼吸の
一瞬の無風がたまらなく
こわい
その時だけはゴム蛇も
姿を
けはいを
けして
ブルーシートの印象
菜の花のかほり
西に さらわれ
風の中
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