くだらない/杉山 さち
 
ときどき
本当にときどき私は身体と心が千切れて離れてゆく感覚に
襲われてしまうのです

身体の芯から崩れてゆくような気がして
私の身体は
私の手足は
力なく横たわってしまうのです

あまりの哀しみに私の小さな身体は
悲鳴を上げます



すべてをくだらない

と思ってしまうのです



響かぬ友人の助言
意味を持たぬ教えに
届かぬ愛する人の言葉

そのくだらぬ出来事の積み重ねで



生きている私は
くだらない
という言葉以外の何ものでも説明が付かぬほどに
くだらない存在だという事に今更

気付くのです



私はときどき

本当にときどき

私自身を置いてきぼりにしてしまうのです






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