蹴りたい背中/
美月朱恋
今でも覚えてる
あなたの大きくて
暖かい
優しい背中を
今だから覚えてる
あなたの大きくて
暖かすぎる
私には勿体無い背中を
辛くなって
あなたに違う道を歩かせる
怖くなって
あなたと違う道を選び進む
私は
今でも好きな
暖かく優しい背中に
精一杯の皮肉を込めて
「大嫌い」
聞こえないように呟いた
大好きと大嫌いを
背中に背負い
あなたは歩く
涙で前が見えなくなった
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