日蝕/紀茉莉
 
噴水、しぶきあげ
過ぎ去った細切れのシーン、空を舞う

凝視した眼に、強風が埃はこび
一瞬にして光、蝕んでいく

ゴシ、と手で拭い取れば、
そこには、なにも変わりない、日輪

足元に落ちた長い影引きずって
わたしは、行く

戻る   Point(3)