あの人は/
ポッケ
いつもと変わらない椅子席で眺める
連なる街路樹
葉の不規則な動線
石畳の歩道
日の当たりは白く
珈琲の香りで縁どられた窓枠の中に
挑むような口
軽やかな髪で
無造作に過ぎる横顔
突風が
桜を奪い
幾片もの花びらを放ち
「二度目」の無い
鮮やかな一枚を残す
僕は目を閉じて
冷めた珈琲を
飲み続けた
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