夢見る道路/ぽえむ君
 
道は眠っていた
空になった夢を見ていた
春の暖かさに包まれて
とても気持ちがよかった
こうして一日中のんびりと過ごすのは
久しぶりだった
時が止まって
このままでずっといられたらと思った
道を歩く人も
道の気持ちが伝わったのか
端を申し訳なさそうに踏んでゆく
道は心地よく寝られた
大きなあくびと背伸びをして
道は起きた
道は鼻の上に
タバコの吸殻がのっかているのに気がついた
とても不愉快になった
自分ではどかせられないので
余計に腹が立った
その気持ちは天に届き
春の風がその苦しさを取り除いてくれた
道は安心したのか
また眠り始めた
今度は
風になった夢を見ていた
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