星のテント/黒い鴉
手をかざした
手の向こうに天井
天井の向こうに
星空を思い描いた
・
天井と壁があるだけの部屋
例えるなら
僕の部屋は小さなテント
そう思えば ほら
何もない部屋だけど
少しはわくわくするだろ
・
外の世界とのへだたりが
少しは僕を楽にする
一人でいる時はいつだって
何かを思い描いていられる
・
夢を描いた
夢の向こうに希望
その向こうに
絶望がちらりと見えた
・
地球を星空がおおってる
例えるなら
この世界はテントの中
そう思えば ほら
この世界なんて
ちっぽけなもんだろ
僕のテントの
どれだけちっぽけなことだろう
・
果てしない宇宙の終わりなんて
想像できやしない
ちっぽけな夢の終わりなんて
想像しちゃいけない
・
きっと誰だって
テントの中でしか夢をみれない
星空が見えても
絶望が見えても
きっと、きっとそれがすべてだ
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