みどりいろのタネ/松本 涼
みどりいろのタネから
ぼくはうまれた
うまれたときから
ぼくにはポケットがあって
そこにはぜんぶが
つまっていたけれど
たいようにこがされたり
あめにしみこまれたり
ほしにみとれたりしているうちに
ポケットのなかみを
いろいろおっことしてしまった
ぼくはとっても
ほうこうおんちだから
それをさがしに
いくことはできない
だけどべつにこまらない
どれだけおっことしても
ぼくのポケットには
いつだっていっぱいの
みどりいろのタネがはいってる
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