計算/ぽえむ君
 
少年は必死になって
学校から出された計算練習を
こなしていた
その数に何の意味があるのか
少年にとって関係のないことだった
この宿題を終わらせて
遊びに行くことの方が大切だった
仲間とともに
どこに行くわけでもないが
自転車に乗って新しい場所の発見を
最初に見つけることが
今の少年に課された義務だった
それには常に注意力と思考力が
かなり必要とされた
ノートの線を無視したかのような
数字を書き入れると
急いで玄関の横においてある
自転車に乗って公園へと向かっていった
少年はすでに宿題で理解したことを
すっかり忘れていたが
少年の頭の中はものすごい速い回転で
動いていた
戻る   Point(10)