新宿/知風
ぼくには関係ないのかな
そんなことを思う時
ぼくは誰に伝えよう
両親と年老いた犬
置いてきた付き合って二年半の恋人
実家で待っている愛しい我が娘的フェレット
どうしているのかも知らないかつての友人たち
家具もない部屋の底 つぶった瞼の裏に
ひとつひとつ顔を思い浮かべてみるけど
東京の街に出てきました
あいかわらずぼくは何とか大丈夫です
そう伝えるべき相手は誰でもなくて
ぼくのふるさとはどこにあるのだろう
あまりにも人の多いこの街に来てぼくは
今以上に孤独な今までを知ったようです
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