セブンスター・ライツ/高田夙児
(あらあなた 見かけより ずっと吸うのね 春の夜)
彼女は胸から乳を搾り出さないのかな、と
思いながら向かいで飲んでいた女を見ていた
僕の隣にはさっきからなんだかよくわからないことを
しゃべり続けるDがいる Dは少し興奮していた
夜中に突然家に来たDは僕を飲み屋へ連れ出して
今ここにいるわけだけど
ざわざわとうるさいこんな場所で
僕は何もすることがない
見つめる女のセーターの乳首の部分が濡れたりして
じわじわと白い液体が赤いセーターに広がっていくような
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