れいれい/Six
その先輩にくっついて
レイ・ビルディングの階段を息を切らしながら上った
階段を上りきった屋根裏みたいな所に
RayRayと小さな札のかかった赤いドアーがあって
わたしたちは女子社員らしく「キャッあやしい!」とはしゃぎ
先輩は「こんばんはー」とそのドアーを開けた
ドアーの横でクリスマスツリーにつかう小さい電球がたくさん明滅し
店の中もドアーと同じ赤い色をしている
常連らしい客が数人、
わたしたち3人が入るとカウンターは満席、
カウンターの中には化粧をしたれいれいがいた
わあ、女装の人だ
と見た瞬間分かるあからさまな化粧で
でも先輩はそのことについて
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