Galapogos/水町綜助
 


僕と君はただの点なんじゃないかと
よく晴れた三月の駐車場に僕は立っていて
電話で君相手にそう言ってみて
銀行員の運転する車が入ってきた
銀色の車体に青色を流して
僕の腰から下も映って流れて
3番に停めた
まだまだすこし寒いよ
もう死んでしまったあの人が机から落とした
芯の出たボールペンが太平洋の群島に落ちて
そこに付いた黒いかすれた点か僕たちは
線はそこよりすこし前ほんの少し前を
愛情と並行するように走っていたらしい
要するに僕らが生まれてそれからついこの間までの線
見たこともない昔から続いてたらしいよ
僕たちは点でゾウガメなので関係はないけれど
ただ甲羅の
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