哲学するライオン/ぽえむ君
その痩せ細ったライオンは本が好きだった
本であればなんでもよかったのだが
ライオンは特に哲学に没頭した
一つの言葉にあれやこれやと
考えることが好きだった
三度の肉よりも本を優先していた
朝になれば詩を読み終えると
時について考えた
昼には読みかけていた小説を片手に
テーマを変えて生への思考が始まった
壮大な草原の上で沈みゆく夕陽を背景に
悲しみについての哲学書を読みながら
自問自答を楽しんだ
ライオンはその夜
獰猛な動物とは何かを考え始めたが
一日中ずっと考え事をしたせいか
星に向かって大きなあくびをして
寝てしまった
夢の中までも本を読んでいるのかもしれない
体が薄い反面
頭の中はどんどん膨らんでいった
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