断絶/船田 仰
 
気付いたらさらさらだったみたいで、ねえ
浸透するメロディー単音の
ぼくは砂になっちゃったから
はなしかけないでちょうだい、ベイビィ

耳元にもってこられても困る
許容できないんだってば
汗びっしょりでめざめて
ちくりと自己防衛機能がはたらく
ちくちくり
そしてぼくが裏切ったものがおそいかかってくる
知ってるとおもってたけど
ぼくは
ひどく他人のような笑いで
ガラス戸をしめてしまうような
そんな奴さ
わるいね
あんたのことがきらいだ

わるいね


ぼくはさらさらになってしまったから
かかとを埋める
灼熱の太陽に後退させられようとも
容赦しなくていいんだ
すなからやわらぎがうまれた
汗びっしょりでめざめてやる
さよならさよなら
可愛いベイベェ


後味わるいね、と、ぼくは言ったのでした
(いつ終わるか決めるのは、今日じゃない。)


で、水槽からさよなら。
さようなら。


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